【カフェチャット】インディー漫画クリエイターのMOC
· 14分で読了
今日はMOC(mira ong chua)がカフェに来ているので、最近リリースした『レイラとエアリー:銀河に響く歌』(THE COSMIC BALLAD OF LAYLA + AIRY)という漫画などのお話を聞こう。
(このインタビューは英語から日本語に翻訳されたものです)

カフェにいるのは?
MOC
npckc
はじめに
バーチャルなインタビューではあるのですが、ここがどんな飲み物でも出してくれるカフェだとしたら、何を注文したいですか?
ちなみに、自分はデカフェのコーヒーにする。夜遅いので。
めっちゃおいしそう……塩って結構飲み物に合うけどあんまり知られていない気がします。
では、自己紹介をお願いできますか?
漫画を書いてセルフ出版
エム・オー・シーの発音ですね!了解です。自分はMOCさんの作品をコミックから入りました。たしかVampire Blood Drive(吸血鬼の献血運動)がはじめてだったと思いますが。
漫画を描き始めたきっかけは何ですか?
誰かの許可を待たない……素敵な決意です。売り込みの話もすごくわかります。ゲーム業界でも友達から似たような話をよく聞きますね。最高なアイディアなのに「共感できない」という理由で出資されないとか……背が短いイタリア人の配管工のゲームとか何百万人の人だって遊んでいるから、人間は共感なんてやる気があれば何にだってできると思うんですが。
漫画なら描きたくなったら描けばいいという点が本当に素晴らしいと思います。MOCさんの漫画が大好きなので漫画に手を出してくれてありがとうございます!
Kickstarterはall-or-nothing方式なので、締め切りまでに目標額を達成できなければ何ももらえません。だから、きゃぺーんをやると、何も知らないストーリーとキャラに手を出してもらわないといけないんです。自分にとってももしかして読者になるひとにとってもハードルが高いと思います。
それもあるから、キャンペーンを作りこむときはどんな小さい部分でも意識的に決めています。色や、グッズや、もちろん本などのデザインも。キャンペーンのページを見て「これは自分好みだね」と思ってくれるために。
毎回違う課題があるんですが、毎回楽しくやっています。自分が考え出した新しいアイデアを信じて支援してくれている皆さんをありがたく思っています。
遊び心を感じるでしょう?トレーラーのかっこよさは全部動画編集を担当してくれたLucia Retamalesのおかげです。トレーラーに使う絵を送ったら「VHSのエフェクトを入れよう」とか「むかしのパブリックドメインの映像※みたいにしよう」とか「コマを高橋留美子っぽい色合いにしよう」とかすぐに言ってくれてさ。カートゥーンの仕事をしたときはこのようなコラボレーションがたくさんあって時々恋しくなるから、今もこのような形ですごいアーティストと一緒に仕事ができて感謝しています。
※MOCさんはこのような動画を考えていたらしい 👉 https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=7t4pTpINcMU&ra=m
そういえば、kcさんは前『マロンの日』を物理のカートリッジで出してましたね。物理メディアのリリースが減っていることがよくアメリカで話題になっているので逆に珍しいと思ってました。インディー開発者としてどう思いますか?物理メディアを集めていますか?
自分が子供の時にゲームを遊んだ感覚を再現したかったのでマロンの日は絶対に物理で出したかったです。カートリッジやディスクなどをゲーム機に入れて、パッチとか追加のダウンロードがなく(そもそもインターネットの通信もなく)すぐに遊べる感覚をね。今の子はクリスマスにGTA6をもらっても箱にはダウンロードコードしか入らないからね……(GTA6をクリスマスにもらう年齢の子供たちなら自分で買えるだろうけど!)
あと、物理メディアはむしろ場所がなくてお金もなくて集められない人のためにあると思います。電子書籍が借りられる図書館はもちろんあるのですが、物理メディアよりもはるかにライセンスが大変でコストが高い場合が多いし、デジタルなゲームがある図書館はほとんどないと思います。物理のゲームなら図書館に結構あるのですが※。(デジタルのライセンスに関して色々思うことがあるので話過ぎないようにいったんここで口を封じますw🙈)
※日本以外の国にはNintendo Switchなどのパッケージ版があるゲームが借りられる図書館が結構あります!うらやましい……
インディーゲームに関しては物理のリリースが出ないものがほとんどだと思うので、正直言うとパッケージ版がほしい人は自分で作ればいいと思います!大好きなゲームをCDに焼いたりUSBメモリーに入れたり。かわいいシールとか貼れば自分だけのパッケージが誕生しますよ。
「レイラはエアリーのことを完全に忘れようとするが、邪悪なファンクラブに狙われるエアリーの元にまた引きずられる。」
(普段はメインキャラのことをもっと丁寧に説明しますが、レイラとエアリーは今回の漫画の第一章に使う予定の短編漫画に素手に出ていたのでこんな感じになりました。)
そこから文章を物語の「導入」「中間」「結末」がわかる段落に操って、どんどん膨らませると物語の全部を描くシナリオになります。
もちろん、書くと書くほど答えが必要になる質問が出てきます。例えば、邪悪なファンクラブには何人いる?この新キャラの関係性は?なぜエアリーを狙っている?レイラーはどうやって関わるようになる?かなり複雑になることもありますが、最初の文章さえあればまた軌道に乗れます。
この過程全体を通してアニメや漫画や映画などのインスピレーションや参考になるものを集めます。特に詳しくないジャンルで描いている場合はよくパートナーや友達に手伝ってもらっています。
邪悪なファンクラブのメンバーがみんな大好きなのでどうやって生まれたのか聞けて嬉しいです!邪悪なのはわかるのですが、漫画でどうしてこうなったのかが描かれているからどうしても嫌いになれなくて……(ネタばれにならない程度で話したいから曖昧になってますが、まだレイラとエアリーを読んでいなくて邪悪なファンクラブが気になるならMOCさんのオンラインショップで物理版とデジタル版※が買えます!)
※デジタル版は日本語版もあります!!
漫画からゲームへ
計画があったわけではないですが、前からゲームが作りたかったときにNaNoReno 2024※が始まることを知って、Ren'Pyをダウンロードしてそのまま作りはじめました。Galaxy Ballerinaはもともと短くて、セリフがなくてナレーションしかなかったから、ノベルゲームに移植しやすいと思いました。
※NaNoRenoは毎年3月に行われるノベルゲームのゲームジャム)
ゲームジャムからゲーム制作に入る話を聞くとうなんか嬉しくなります。ゲームジャムはちょっとやってみようと思った人にとってやりやすいからね。
MOCさんにとって漫画を描くこととゲームを作ることはどう違いますか?こっちはもっとやりやすい・やりにくいとか、表現しやすい・表現しにくいとか。
探検と個人の挑戦……良い言い方ですね。自分も小説だったら書かない書き方をノベルゲームでは使ってます。本の読者の物語の体験はノベルゲームのプレイヤーの物語の体験と違うから。
こんなこと言われたら各表現手段特有の方法で漫画の物語を膨らませるMOCさんのメディアミックスを見てみたくなるんじゃないですか!
すーっごくやりたいんだけど!実現できますように!!!自分が前にジャムで作ったメガネブレイカー(ジャムが終わって未完成のまま🪦🥲)もただ眼鏡をかけた少年の絵をゲームに入れる口実で作ったものだけど気持ちはわかりますw。
本当はちゃんと作りたいんですが絵とか全然できていないしゲームプレイもラグいから最適化が先だと思いますが(Ren'Pyというノベルゲームのエンジンの機能でリアルタイム操作が必要なゲームを作ろうとした自分がアホでした)、もしまた作り始めたらもしかしてMOCさんにちょっと眼鏡の絵をお願いしちゃうかもしれません…🙏
漫画と翻訳
今はセルフ出版のみですが、数年前にデビュー漫画のROADQUEEN: Eternal Roadtrip to Loveが北アメリカのパブリッシャに出版されました。リリースが終わったら、一時期日本でも出版する話があって、自分が来日する話までありましたが……ちょうどコロナ禍になって蒸発しました。
それで友達に文句言ったら、「じゃ、自分で翻訳者雇ったら?」って言われました。それから結構時間がかかりましたが、最終的には友達の言葉を受け入れて、たしかに自分で雇えばいいと思いました。
そういう経緯もあったから、堀内愛月さんと一緒に仕事してレイラとエアリーを日本語でリリースできたことである意味長年ふさぎ込んでいた気持ちに区切りをつけられました。それでもまだ日本の漫画のイベントに行きたいけど!
あと、様々な翻訳に時間と努力を提供してくれた有志の方に感謝しています。リリース時にも思ったんですが、インディーゲームのコミュニティーは本当に熱意があって親しみやすいです。
ついに日本語訳ができたというわけですね!(でもいつかROADQUEENも日本語で読んでみたいです…!)MOCさんの漫画は日本の漫画イベントには絶対合うと思うので、コミティアなどに参加する機会があったら良いですね。
Galaxy Ballerinaの多言語化が進んで、もっとたくさんの人に遊んでもらえたらいいですね。他のメディアよりも翻訳しやすい(テキストの話じゃなくて技術的な話)ところがあるのでそこもかなり好きです。
最後に
MOCさんの作品はオンラインショップまたはitch.ioのページでチェックできます。。
最新の漫画『レイラとエアリー:銀河に響く歌』は紙の本としてもデジタルなPDFとしても購入できて、ゲーム『Galaxy Ballerina』はitch.ioでブラウザー版とダウンロード版があります。